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809/1000 ロックスターのサブスクマーケテイング 

2026/02/08
809/1000 ロックスターのサブスクマーケテイング 

ロックスターには、つい神秘を求めすぎてしまう。

ずっと不良で、心に傷を負っていて、社会にうまく回収されず、それでもどこかで救われたいと願っている。そんな存在であってほしい、と。

90年代、スマッシングパンプキンスは、まさにそういうロックスターだった。

時代のトップランナーでありながら、完成しきらず、常に迷いの中にいるように見えた。

答えを示す存在というより、問いを抱えたまま鳴っているバンド。

その不安定さが、当時の空気と強く共鳴していた。

けれど今、ロックスターを取り巻く環境は大きく変わった。

サブスクの時代だ。

アルバムを通して聴くよりも、プレイリストやレコメンドの中で、曲は文脈ごと流れていく。

この時代に重要なのは、「どんな音か」以上に、「これは何者か」が一瞬で伝わることだ。

そんな中で、ヤングブラッドがスマパンをフィーチャーする。

そこには、はっきりとサブスク時代のマーケティング構造があるように感じた。

若い世代の現在形の音楽に、90年代の文脈を重ねることで、世代をまたぐ入口を作る。

アルゴリズムの中で名前を循環させ、忘れられない存在で居続けるための設計だ。

正直に言えば、音楽的な結びつきはそれほど強くないように感じた。

ヤングブラッドは、グラムロックの王子様的な佇まい、外に開いた自己表現の人で、直線的で、今を切り取るタイプのロックスターだ。

一方でスマパンは、内側に沈み込み、迷いを抱え込む音楽だった。

だから「だしにされた感」を覚える人がいても、不思議ではない。

それでも、不思議と嫌な気持ちにはならなかった。

むしろ、少し嬉しかった。

スマパンは、過去の伝説として消費されていたとしても、

ヤングブラッドの現在形の曲の中に、「文脈」として呼び出されている。

それは、彼らが音楽をやめなかったからだ。

評価が割れても、神秘が薄れても、迷いの中で鳴らし続けてきた。

時代を切り取るのは、やはり若者だ。


ロックスターが、より一層巧妙なマーケティングを仕掛ける時代。

ロックもまた、生き残りをかけているのだ。
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