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環境管理センターブログ

2026/07/30
986/1000 大切な時間   

高校生の息子が、珍しく聞いてきた。

「どうしたらベースの音がきれいに出るの?」

どうやら音がビビってしまうらしい。

「フレットは真ん中じゃなくて、ボディ側ギリギリを押さえるんだよ。」

そんなことを伝えると、

「へぇ、真ん中を押さえるものだと思ってた。」

と、少し驚いたような顔をしていた。

ほんの数分の会話だった。

その時、私は息子の左手を取り、指の押さえ方を見せた。

そして、何気なくその手をまじまじと見た。

思っていたよりも細くて色が白い。

高校生になり、身長も伸び、見た目は大人に近づいてはきたが、手だけはどこか子どもの面影を残していた。

その柔らかい指先に触れた瞬間、ふと思った。

この子も、あと二年もしないうちに、この家を出ていくのだろう。

大学へ進学するのか、就職するのかは分からない。

けれど、四六時中顔を合わせる毎日は、もう長くはない。

小さい頃は、「早く大きくなれ」と思っていた。

でも、いざその日が近づいてくると、不思議なもので、時間がゆっくり進んでほしいと思ってしまう。

子育ては、毎日が当たり前のようでいて、実は期限付きの大切な時間なのだ。


2026/07/28
984/1000 山の安心を守る   

今日は、当社のスタッフ2名が月山山頂へ向かった。

目的は登山ではない。山頂トイレの維持管理業務である。

この仕事は、もう数十年続いている。当社にとって夏の風物詩のような仕事でもある。

私が子どもの頃から、父は「今日は月山だ」と言って山へ向かっていた。その話を聞きながら育った。私も入社以来何度か山頂へ登ったことがある。

山頂に着いた時の達成感。そして、そこで食べるおにぎりの美味しさは今でも忘れられない。特別な具が入っていたわけではない。ただ、あの景色と、そこまで歩いてきた時間が、おにぎりを何倍も美味しくしてくれたのだと思う。

しかし、この仕事は決して楽ではない。

重い資材を背負いながら山を登り、多くの登山者が気持ちよく利用できるよう、トイレを維持管理する。山頂にトイレがあることを「当たり前」と感じる人は多いかもしれないが、その当たり前は、誰かの汗によって支えられている。

昨日は天候が急変し、雷雨の危険を避けるため、予定を切り上げて早めに下山したと聞いた。

山では自然が相手である。無理をしない判断もまた、大切な仕事の一つだ。

父から受け継がれ、今は当社のスタッフが受け継いでいるこの仕事。

華やかではない。しかし、美しい月山を守り、多くの登山者の安心を支える、大切な仕事である。


2026/07/26
982/1000 我が家の潤滑油 罪滅ぼしデー   

午前中は少しだけ会社へ。

午後からは、我が家の恒例になりつつある「罪滅ぼしデー」である。

平日は仕事ばかりで、妻との時間はどうしても少なくなる。

だから週末くらいは、一緒にどこかへ出かけようと思っている。

今日は洋食が美味しいお店でランチを食べ、そのあとフルーツタルトが評判のカフェへ。

久しぶりの「はしご」である。

美味しいものを食べながら、子どもたちのこと、最近あった出来事、何気ない話をあれこれする。

一緒に暮らしているのに、こうして向かい合って話す時間は案外少ないものだ。

不思議なもので、お店を変えるだけで話題も変わる。

ランチではお腹を満たし、カフェでは心を満たす。

そんな感じだろうか。

「罪滅ぼし」と言いながら出かけているけれど、本当は私のほうがこの時間を楽しんでいるのかもしれない。

何気ない週末。

でも、こんな時間の積み重ねが、夫婦の思い出になっていくのだろう。

来週はどこに行こうかな。

2026/07/24
980/1000 静かになったテラス   

いよいよ、賑やかだった会社のテラスが急に静かになった。

ツバメ達が巣立ったのだ。

 

このツバメの雛たちは巣から出るのが早すぎて、まだ十分に飛べないうちから、テラスの床で5羽が身を寄せ合い、

親鳥が餌を運んでくるのを待っていた。こんな光景を見るのは初めてだ。

毎日響く「ピーピー」という鳴き声。何度も何度も餌を運ぶ親鳥。

 

しかし5羽のうち1羽は巣から出た直後に、そしてもう1羽も数日前に命を落とした。

それでも残った3羽は昨日、大空へと飛び立っていった。

挨拶に来るわけでもなく、多量のフンだけを残して。

今日、その糞をデッキブラシで丁寧に掃除した。

綺麗になったテラスを眺めると、心の中にあったモヤモヤみたいなものも、空へ連れて行ってくれたような気がして清々しい。

 

最後に「また来年」と言って、役目を終えた空っぽの巣を取り外した。


2026/07/22
778/1000 本気は人を動かす。   

文化祭が終わった高校生の息子。

今年の正月、自分でベースを購入した。それからというもの、家では時間を見つけてはベースを弾いている。

「文化祭でバンドやらないの?」

そう聞いたことがある。

「一緒にやる人がいないから。」

そう答えていた。

文化祭当日。

ステージではダンスやバンド演奏が次々と繰り広げられる。

その光景を見ながら、どこか落ち着かない様子だった。

きっと、「あそこに立ちたかった」という思いがあったのだろう。

数日後、同じようにうずうずしていた友人から声が掛かった。

「来年、一緒にバンドをやろう。」

いい話だ。

ところが、さらに驚いた。

息子の担当はアルトサックスだという。

「おお、コルトレーンでもやるのか?」

そう聞くと、

「いや、マルサ。」

最初は何のことかと思ったら、『丸の内サディスティック』のことだった。

しかし問題がある。

息子はアルトサックスを持っていない。

それどころか、一度も触ったこともない。

「どうする?」

と聞かれたので、

「やったらいい。」

と答えた。

「でもサックスは?」

「いいものを買えばいい。」

「お金は?」

そこで二人とも黙った。

新品を買うとなれば、それなりの金額になる。

どうするのだろうと思っていたら、息子が動いた。

大切にしていたビンテージのスニーカーを何足か売る段取りを始めたのだ。

自分で集め、自分で大事にしてきたもの。

それを、自分の次の挑戦のために手放そうとしている。

誰かに買ってもらおうとしているのではない。

自分で何とかしようとしている。

その姿を見て、「本気なんだな」と思った。

本気というのは、不思議なものだ。

言葉で説明しなくても伝わる。

「やりたい」という熱量は、周りの人の心まで動かしてしまう。

もし足りない分があるなら、その時は父が背中を押そう。

でも最初の一歩は、自分の力で踏み出そうとしている。

それが何より嬉しかった。

来年の文化祭。

サックスが上手に吹けるかどうかは分からない。

でも、自分で決め、自分で行動し、自分でステージに立つ。

その経験は、きっと一生の財産になる。

父としては、そんな一年を心から応援したい。
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