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環境管理センターブログ

2025/11/19
733/1000 暑さ・豪雨・クマ──自然との付き合い方   

今年は、山形の川に鮭がほとんど戻ってこないという。

例年の八分の一。数字は淡々としているのに、川の景色を思い浮かべると胸がざわつく。

広島では牡蠣が歴史的不漁。

全国では、あちこちで熊の出没が相次いでいる。

気候や海水温の変化、環境の影響──説明はいくらでもあるのだろう。

けれど今年に限って、こんなにもいろいろが重なるものだろうか、と考えてしまう。

ふと思う。

このクマたちは、ナウシカで言う“オーム”のような存在なのではないか。

ただ暴れているのではなく、もっと深い場所からの“知らせ”として里に姿を見せているのかもしれない。

会社では、熱中症だの豪雨だの、季節ごとの対策に追われてきた。

その矢先に、今度は「クマ対策までお願いします」と言われる始末である。

自然相手の仕事とはいえ、ここまでバリエーションが増えると、私たちはまるで“自然警備隊”だ。

でも、こうして人が右往左往している裏で、自然は静かにサインを送り続けている。

鮭の川、海の養殖場、山の気配──それらはいつも何かを語りかけている。

暑さ、豪雨、そしてクマ。

そのどれもが「どう自然と付き合うか」を問い直してくる。

今年の異変は、もしかすると自然からの小さな声なのかもしれない。

2025/11/17
731/1000 そいで?──家族が教えてくれる、気づけない自分   

昨日の食卓で、娘が突然「ゲームしよう!」と言い出した。

家族4人それぞれに“口癖”をこっそり設定し、本人には見えないようにおでこに貼る。

その口癖を自分で言ったら負け、という実にシンプルで、実に恐ろしいルール。

私に割り当てられたNGワードは、まさかの「そいで?(それで?)」。

まったく自覚がなかった。

いや、家族からすれば“鉄板の私の口癖”だったらしいのだが、本人にとっては青天の霹靂である。

そしてゲーム開始。

わずか10秒。

「そいで?」

……自然体すぎるほど自然体に口から出てしまい、即アウト。

家族は大笑い。私は苦笑い。

でも、この瞬間ふと気づいた。

自分のクセって、本当に自分では見えないものなんだな、と。

思えば、妻からは普段から「その言い方、誤解されるよ」とか、「その口調はあまり良くないよ」と、丁寧に指摘されている。

自分では普通のつもりでも、聞く側にとっては全然違って聞こえていることがある。

今回の“そいで?事件”も、要はその延長線上なのかもしれない。

そんなふうに、自分が気づけない細かなクセや振る舞いを、率直に伝えてくれる人がいるというのは、本当にありがたいことだ。

ましてや、それを遠慮せずに伝えてくれるのが家族だというのは、もっとありがたい。

家族って、一番近くにある“鏡”みたいな存在なのだと、あらためて感じた夜だった。

2025/11/15
729/1000 時代はパドラーを求めている   

今日は、娘がお世話になるかもしれない高校の学校説明会に参加してきた。

特に心に残ったのが、「レガッタとラフティング」で語られた社会の変化だ。

これまでの社会はレガッタのように、後ろを向いて指示を受け、その通りに漕げばよかった。

決められたことをきちんとやる——それが求められた時代である。

しかし、これからはラフティングの時代だという。

前を見て流れを判断し、声を掛け合って、自分からパドルを差し込まなければ船は進まない。

指示を待っているだけでは、激流に飲まれてしまう時代だ。

子どもたちが進むのは、この“行動の時代”である。

企業も大人も、レガッタの価値観ではもう通用しない。

流れに合わせて自ら動く者だけが次のステージに進み、そうでなければ消耗していく。

流れが速すぎるのだ。

この変化に合わせて、自ら判断し、挑んでいける企業や人だけが残る。

対応できなければ、すり減り、姿を消してしまう。

世の中の「光」と「影」の濃淡が、いっそうくっきりと浮かび上がる時代である。

だからこそ、前を向いて漕ぐしかない。そうビジョンがより一層大切なのだ。そう先生は言いたかったのだろう。

こんな話を聞きながら、中学生にどこまで本筋が伝わったかは正直わからない。

けれど、私は素直に「ここなら娘を預けてもいいな」と感じていた。


2025/11/13
727/1000 晴れの日に傘が必要   

今日は財務戦略のセミナーに参加した。

数字の話もさることながら、後半にあった「銀行との正しいお付き合いの仕方」が、なんとも胸に残った。

会社の経営を左右する大事なテーマなのに、これには決まった虎の巻がない。

私はこれまで、先輩経営者の背中を追い、そして先代である父の振る舞いから学んできた。

その経験則の寄せ集めで、なんとかここまでやってきたような気がする。

ところが今日の講義を聞きながら、ふと安心した瞬間があった。

あの頃教えてもらった感覚は、どうやらそう間違ってはいなかったらしい。

経験則の影には、ちゃんとした理屈と、銀行側の立場が存在していたのだと知り、少し肩の力が抜けた。

ただ、ここで具体的な内容を書くことは控えておこうと思う。

銀行とのお付き合いは、会社の状況や規模、経営者の覚悟によってまるで違う。

ひとつの正解を書いたところで、それが誰かの足を引っ張る可能性だってある。

だからこそ、自分の胸の内にそっとしまっておくほうがいいのかもしれない。

ひとつ確かだと思ったのは、銀行というのは「晴れの日に傘を貸す商売」だということ。

それは良い悪いではなく、当たり前の姿だ。

だからこちらも、誠意を持って向き合い、相手を知ろうとすることが欠かせない。

どんな未来を描いていて、どこに向かおうとしているのか。

数字と姿勢で示し、正しく理解してもらう努力を続けるしかない。

結局のところ、経営とは“誠意と理解”の積み重ねなのだと思う。

父から受け取った教えも、今日の学びも、すべてそこに行き着く。

そんなことを胸の中で反芻しながら、ゆっくりと帰路についた。

2025/11/11
725/1000 箱の中の40年   

本日はお隣の酒田市で遺品整理の現場作業。

久しぶりに一日びっちりとスタッフと一緒に汗を流しました。

「この寒いのに汗?」と思われるかもしれませんが、外仕事は防寒具が必須。

動き回れば、たちまち体があたたまり、汗ばんでくるのです。

今日は二階に取り付けられたエアコンの取り外しがあり、久々に工具を握りました。

昔取った杵柄というやつで、電気工事士の資格が、こういうときに生きてくる。

現場に出ると、不思議と体が覚えているもので、手が自然に動きます。

遺品整理の現場では、さまざまな“モノ”との出会いがあります。

今日、ふと目に留まったのは、化粧箱にずっとしまわれていた民芸品のお人形。

三歳くらいの子どもをかたどった、素朴であたたかい表情のお人形でした。

おそらく四十年ほど、そのまま箱の中で保管されていたのだろうと思います。

モノは言葉を話しません。

けれど、確かに時間と気持ちを宿しているように思います。

役目を終えたのか、まだ果たせていないのか。

ただ、そこに“在り続ける”ことにも、意味があるのかもしれません。

ふと、「外の世界を見せてあげたいな」と思いました。

お節介かもしれませんが、箱からそっと出して、窓際に置いてみました。

冬の光を浴びながら、外をじっと眺めている姿が、とても静かで、やさしかった。

慰めになったのかどうかは、わかりません。

けれど、その姿を見ていたら、

「人もモノも、誰かに必要とされてこそ、息を吹き返すのだな」と、そんなことを思いました。

遺品整理は、モノを捨てる仕事ではない。

そこにあった暮らしに手を添え、次の居場所へとつなぐ仕事です。

今日もひとつの家から、季節がひとつ流れていきました。
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