19/100 実家じまいについて
2026/09/19先日、ある冊子を読んでいたら、「後悔しないための実家じまい」という記事が目に入りました。
「実家じまい」。
最近よく聞くようになった言葉ですが、私たちの仕事は、まさにこの「実家じまい」の一部分を担っているのだと思います。
記事では、誰も住まなくなった実家をそのままにしておくリスクについて書かれていました。
建物が傷み、近隣に迷惑をかけてしまうこと。
犯罪などに利用される可能性があること。
そして固定資産税や修繕、管理など、住んでいなくてもお金がかかり続けること。
だから、空き家になってから慌てて考えるのではなく、親が元気なうちから家族で話しておくことが大切なのだそうです。
これは、私たちも現場に立っていて本当にそう思います。
家より先に、家の中がある
実家を売るにしても、解体するにしても、その前にやらなければならないことがあります。
それが、家の中の整理です。
家具、布団、洋服、食器、本、書類。
そして写真や手紙、思い出の品。
何十年も家族が暮らしてきた家ですから、当然ものすごい量になります。
しかも、単純に「いる」「いらない」だけでは決められません。
一つひとつのモノに、その家族の時間がくっついているからです。
だから、
「今度やろう」
「時間ができたらやろう」
「まだ大丈夫だろう」
となってしまう。
そして一年、二年と時間が過ぎていきます。
「捨てられない」より「どうしたらいいか分からない」
家財整理の仕事をしていると、私は「捨てられない人」が多いというより、自分ではどうしたらいいのか分からなくなっている人が多いように感じます。
あまりにもモノが多い。
何から手をつけたらいいのか分からない。
家族だけでは時間が取れない。
思い出があって判断できない。
そうして、だんだん実家そのものが重荷になっていく。
だからこそ、家族だけで抱え込まず、家財整理、不動産、解体、相続など、それぞれの専門家の力を借りることも必要なのだと思います。
片付いたあとの表情
私たちが家財整理を終えたあと、お客様の表情が変わる瞬間があります。
モノでいっぱいだった家がきれいになって、
「これで一区切りつきました」
そんな言葉をいただくことがあります。
私は、その表情を見るたびに思います。
私たちが片付けているのは、モノだけではないのかもしれないな、と。
ずっと心のどこかにあった、
「やらなければならない」
というものまで、一緒に整理しているのかもしれません。
実家じまいというと、少し寂しい響きがあります。
でも、ただ家をなくすことではない。
そこに暮らした人の時間を整理して、残すものを残し、手放すものを手放す。
そして、次のことを考えられるようにする。
実家じまいとは、何かを終わらせるためだけではなく、次へ進むためにするもの。
記事を読みながら、そんなことを考えました。

