夏の終わりは、写真に写らない
2026/08/17
先日、息子がこんなことを言っていた。
「花火って、テレビで見ても感動しないね」
確かにそうだ。
この写真は、鶴岡市温海地区の海岸線、国道7号線から眺めた日本海。
写真だけを見れば、夕暮れ時の静かな日本海ということになるのだろう。
でも、この写真には写っていないものがたくさんある。
沖には小さな船が浮かんでいる。
窓を開けると、虫たちの賑やかな鳴き声が車の中まで聞こえてくる。
山から吹き下ろしてくる風は、夏なのに少しひんやりしている。
その風の中には山の香りがあって、そこに海からの塩の香りが入り混じる。
なんとも言えない、夏の夕暮れの匂いだ。
海の色も、空の色も、風も、音も、匂いも。
その全部が一緒になって、この風景になる。
だから写真を見返しても、あの場所で感じたものの半分も伝わらない。
花火もきっと同じなのだろう。
腹に響く音。
夜空いっぱいに広がる光。
周りから上がる歓声。
火薬の匂い。
そして、夜の空気。
テレビには花火は映るけれど、そこにある「全部」は映らない。
感動というものは、目で見るものではなくて、五感全部で感じるものなのかもしれない。

