「千里の道も一歩から」。なんでも高速で手に入れる事ができる令和の御世にはあまり耳にしなくなった言葉の様にも感じます。しかし本当に大切な事だなと仕事をしながらしみじみ感じるのです。
この言葉と共に今スタート地点に立っている人というのは、辛さ悲しみなどあるのかもしれませんが、人間にとって最も尊いモノであろう目標やなりたい未来が描けている、あるいは描こうと努力している人なのだと思います。
だから、地平線の先にどんな世界が待っているのだろうという希望がある。これほど力強い心の支えが他にあるでしょうか。私は、遺品整理・特殊清掃などの日々の仕事を通じて多くの方の亡くなる直前の生活環境を整理しています。
その作業中故人の大切にしていること・上手く行かないこと・コンプレックス・乗り越えるべき壁、そんな形には無いモノが物を片付ける中で見えて来ます。
その時考えるのは、目標を見失ってはいなかったか?という本当に個人的な感情です。私は故人の生前の姿を全く知らないので、本当に勝手な私の感情なのですが、多くの才能、能力を持っていながら、目指すべき道について向き合う事を避けてしまったのではないか、そんな事をふと考えることがあります。
だからこそ、スタート地点に立つことの素晴らしさにことさら敏感になるのかもしれません。さあ新しい年が始まります。地平線の先の希望を目指してスタートを切ろうではありませんか。