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環境管理センターブログ

2026/02/04
807/1000 空き家と積雪   

今日は立春ということで、日差しがほんの少しだけ柔らかく感じられる一日だった。

今年は、凍てつくような寒さというほどではない。けれど、積雪は多い。

日本海側特有の、重く湿った雪が、町を静かに覆っている。

雪が積もると、空き家がより際立つ。

足跡がない。

除雪されていない。

人の気配が、はっきりと消える。

そんなわけで、不動産屋さんなどは、この時期に空き家の調査をしていたりする。

所有者にヒアリングするより、よほど効率的だ。

雪は正直だ。

人が関わっている家と、そうでない家を、容赦なくあぶり出す。

この雪は、私たちの仕事にとっては、やはり作業の妨げになる。

除雪をしてからの作業になるし、道幅が狭くなってトラックが入れない現場もある。

運び出しには、どうしても時間がかかる。

けれど、もっと堪えるのは、空き家だ。

このウエットな雪は、手入れされていない建物にはかなり厳しい。

屋根に溜まり、軒を押し、静かに負荷をかけ続ける。

今年は何棟、倒壊するのだろうか。

そんなことを考える日が増えてくる。

倒壊した空き家から家財を運び出す作業は、危険で、そして重労働だ。

歪んだ床、崩れかけた梁、不安定な足元。

一つひとつ確認しながら、慎重に手を入れていく。

現場はまだ冬の只中にある。

それでも、足跡のある場所と、ない場所を見比べながら、

人が関わるということの重さを、雪は静かに教えてくれる。

今日もまた、雪と向き合う一日だった。

2026/02/02
805/1000 鈍刀を磨く人生   

「鈍刀を磨く。」

という言葉を知った。

自分を磨く、という言葉は少し気恥ずかしい。

どこか意識が高い感じもするし、成果が出ていないときほど、口にしづらい言葉だ。

でも実際は、もっと地味で、もっと日常的なものだと思っている。

毎日、必ずひとつ。

「あ、ここだな」と感じるポイントが訪れる。

人とのやり取りだったり、仕事の段取りだったり、

自分の言い方や態度だったりする。

大きな事件ではない。

むしろ、誰にも気づかれないような小さな場面だ。

その瞬間に、ふっと思う。

――ああ、今日も試されているな、と。

正解を出す試験ではない。

速さや要領を競うテストでもない。

「どう振る舞うか」「どう受け取るか」「どう飲み込むか」。

そんな、人としての姿勢を問われているような感覚だ。

鈍刀はいくら磨いても光らない。しかし磨いた自分が磨かれる。


人は何を鈍刀とするのかで、人生が変わるのだろう。

もちろん、渦中にいるときはしんどい。

またか、と塞ぎ込みたくなる日もある。

それでも結局、またここに戻ってきてしまう。

どうやら、

鈍刀を磨くという愚行をやめない人生を、

選んでしまったらしい。

2026/01/31
803/1000 高いところを片づける   

毎年恒例の、高所作業車でのクモの巣取り。

暮れの大掃除ではどうしても手が回らず、年を越してからの作業になるのが、ここ数年の流れだ。


工場の天井は高い。

脚立では届かず、12メートルの高所作業車を借りて行う。

下から見上げていると大したことがないように思えるが、いざ上がってみると、なかなかの高さだ。

クモの巣を一つずつ取り除いていく。単純な作業だが、高さのせいか、気は抜けない。


このクモの巣取りが終わらないと、どこかにやり残し感が残っていた。

見えない場所に残ったままのものが、頭の片隅に引っかかっている感じだ。

だから毎年、これを終えるとようやく一区切りがつく。


せっかくなので、この際とばかりに、高い場所の小さな修理も済ませた。

こういう時に助けになるのが、前職で取得した資格だ。

群馬県まで行かせていただいて、同僚と新幹線に乗って取りに行った。

今思えば、あれはちょっとした小旅行のようで、なかなか楽しい思い出でもある。


当時は、いつ使うかも分からずに取った資格だった。

それがこうして、今の仕事の中で役に立っている。

過去の時間や経験が、形を変えて今につながる瞬間は、静かにうれしい。


明日から二月。とにかく寒い。

それでも、陽は確実に長くなっている。

夕方、工場の外に出たときの空の明るさが、ほんの少し違う。


春用のコートは、もう買ってある。

まだ出番は先だと分かっているが、クローゼットを開けるたびに目がいく。

クモの巣がなくなった工場で、次の季節を迎える準備は、たぶん整った。


春は、もう来ている。

まだ空気は冷たいけれど。


2026/01/29
801/1000 経営というメンコ合戦   

東京出張二日目。

中期経営計画を立てる勉強会に参加している。利益、戦略、数字、未来。

ノートを取りながら、改めて目にとまったのはドラッカーの言葉だった。

「企業の目的は顧客の創造」

そして、企業の基本的な機能は二つだけ。マーケティングとイノベーション。

成果をもたらすのも、この二つだけで、それ以外はすべてコストである、と。

ここでいう成果とは、売上や利益のことではない。

成果の本質は、外の世界に変化を起こすこと。

つまり、顧客に良い影響をもたらしたかどうかだ、とドラッカーは言う。

売上はいくらか。利益はいくら残ったか。

もちろん大事だ。でもそれは結果であって、目的ではない。

本当に問うべきなのは、

お客様はどう良くなったのか。

社員はどう良くなったのか。

ここが抜けた瞬間、経営は数字遊びになる。

売上を伸ばした。規模を大きくした。競合に勝った。

それはどこか、子どもの頃のメンコ合戦に似ている気がした。何枚取ったか、誰に勝ったか。場が終われば、残るのは数だけだ。

でも経営は、本来メンコを集める遊びじゃない。

関わる人の現実が、昨日より少し良くなること。

その積み重ねの先に、たまたま数字がついてくる。

仏教に「自利利他」という言葉がある。

自分だけでなく、他者も良くなる。ドラッカーの言う成果と、同じ匂いがする。

二日目の勉強会で増えたのは、ノウハウよりも問いだった。

社長の仕事とは何か。

経営というメンコ合戦から、そろそろ降りてもいい頃なのかもしれない。


2026/01/27
799/1000 どれだけ少なく、どれだけ軽く   
明日から二泊三日の東京出張に備えて、段取り中。 
大雪の庄内から晴天であろう東京へ行くので、まず靴から考える。 雪道を歩く靴でいいのか、それとも都会の床に合わせるのか。
 靴が決まると、着るものが決まっていく。 そして最後に、カバン。
 私は出張のたびに、どれだけ持ち物を減らせるかを考える。
 そのとき必ず思い出すのが、『漫画:ジョジョの奇妙な冒険 スティール・ボール・ラン』で、
レースに出る前のジャイロが、持っていく物を吟味する場面だ(伝わってるかな〜)。
 どれだけ少なく、どれだけ軽く。 
ポイントは、下着やハンカチを、“サヨナラするもの”にしている事。
 ハンカチや下着は、捨てどきが曖昧なアイテムだ。 いつまで経ってもまだ使える。 
 だから私は、この出張というタイミングで手放すことにしている。
 これは大学時代、旅慣れたゼミの先生がやっていたのを真似たものだ。
 出張のたびに、古い下着やハンカチを持っていき、旅先で役目を終えさせる。
 合理的だし、帰りのカバンに洗濯物が少ないのも、ありがたい。
 そしてもうひとつ、理由がある。 手放したところに、お土産を入れられる。
 旅に持っていく物は、未来の自分を助ける物。 置いていく物は、過去の自分をほどく物。 
そして空いた場所に、誰かの顔を思い浮かべながら選んだ物が入る。
 カバンは思ったより軽い。 それを肩にかけたとき、あのジャイロの横顔が浮かぶ。 どれだけ少なく、どれだけ軽く。 
そして、一番大事なのは何を持ち帰るのか。ってことで。 
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