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妻と娘が“推し活”で東京に出かけた朝。
残された男子チームに、二枚のメモが託された。
テーブルの上には、丁寧にびっしりと書かれた指令書。
そこには、洗濯のやり方や、冷蔵庫の何を捨てていいか、さらに──
「ペットボトルはラベルとキャップを取ってから」
「猫のナナちゃんが来たら、氷入りの水をあげて」
「近所のトラ(猫)が来たときは、うちの子たちとバッティングしないように注意」
情報量がすごい。愛と配慮に満ちている。
だが同時に、問題もある。
例えば洗濯の欄には、「1番左のボトルを最初、次に真ん中のをちょっとだけ」とある。
……が、ボトルの中身の名前は書いてない。
おしゃれすぎて、どれが洗剤で、どれが柔軟剤か分からない。
そもそも“ちょっとだけ”って、どれくらい?
小さじ? 手の感覚? 僕の裁量?
こういうときに「手伝おうか?」なんて言葉は禁句だ。
なぜなら「手伝う」は、妻の仕事であると決めつけている響きを含むから。
でも実際は、手伝いたいのだ。やる気もある。
ただ、いろんなことが分からないだけなのだ。
洗剤のタイミング、ナナちゃんとトラの顔の見分け方、そしてペットボトルの一時置き場。
男子チームは今日、柔軟剤なしで洗濯を回し、冷蔵庫のタレと格闘し、
ゴミ袋を家中探し回った挙句、廊下のチェストで発見した。
きっと妻が帰ってきたら、「ここ、やってないじゃん」と言うだろう。
でも僕たちは言いたい。
「ぜんぶ、ちゃんとやったんだよ。やり方は独特だったかもしれないけれど」
と。